2019年5月29日(水)〜 6月10日(月)
国立新美術館
愛知・大阪・福岡・広島
「我々はどこからきたのか、我々は何者なのか、我々はどこへ行くのか」 ゴーギャン
ゴーギャンの遺言的作品として描かれた渾身のこの大作は人間の生命の存在を見つめ、表現した秀れた作品である。
真の芸術とは呻吟する精神であり、不合理な世界が生み出す美の形態である。
日洋会の創立文の中にある未完に向かう思想を持たなければならない。
モーリス・メルロ=ポンティという哲学者は「生の未完結性」ということを記している。
芸術はいつも未完であることを自覚し、たゆまず悠久の美を探求し続けよう。
芸術家は自分が満足した時、凋落が始まると思わなければならない。会も同じである。
過去の偉大な芸術家の作品にふれ、その崇高な魂を仰ぎみて一歩でも近づけるように、キャンバスという制約された枠の中で何かを求めて挑戦し、格闘する、そのような多くの作家が出品されることを望みたい。
敷島の大和の国の美を求め 今も悶ゆる日洋会
理事長 小灘 一紀